監査法人への転職を検討している方は、仕事内容だけでなく、監査法人の規模や特徴による違いを理解しておくことが大切です。監査法人は5人以上の公認会計士によって構成され、企業の会計監査を中心にさまざまな業務を行っています。本記事では、監査法人の仕事内容や種類ごとの特徴、転職活動で押さえておきたいポイントについて解説します。
監査法人の主な業務内容
監査法人は、企業の財務情報の信頼性を確保するために、会計監査を中心としたさまざまな業務を行っています。主な業務は監査業務ですが、企業の経営課題に対して助言を行うコンサルティング業務もあります。監査法人への転職を考える場合は、それぞれの業務内容や役割を理解しておくことが大切です。
監査業務
監査法人の中心的な業務が監査業務です。公認会計士が企業の財務諸表をチェックし、適正に作成されているかを公正な立場から確認します。監査によって財務諸表の信頼性が確保されるため、株主や投資家、金融機関などが適切な投資・融資判断を行うための重要な役割を果たしています。
また、監査人にはクライアント企業から独立した立場で監査を行わなければいけません。会社法や金融商品取引法などによって、一定の企業には公認会計士による監査が義務付けられています。
監査業務の種類
監査には、主に「外部監査」「内部監査」「監査役監査」の3種類があります。一般的に監査法人が企業に対して行う監査として知られているのが外部監査です。企業が作成した財務諸表を第三者の立場から確認し、その適正性を評価します。一方、内部監査は企業内部で行われる監査で、法令や社内規定に沿って業務が適切に行われているかを確認します。監査役監査は、監査役が取締役の職務執行や会社の運営状況などを監査するものです。監査役には、取締役から独立して監督できる立場が与えられています。
コンサルティング業務
監査法人では、監査業務に加えてコンサルティング業務も行われています。コンサルティング業務は、クライアント企業が抱える課題について相談を受け、解決に向けた助言や支援を行う仕事です。具体的には、財務コンサルティングや企業再生アドバイザリーなどが挙げられます。M&Aに関連するデューデリジェンスやバリュエーションなどの業務もありますが、現在ではこうした業務をFAS(Financial Advisory Services)と呼ばれる別法人が担うケースも多くなっています。
監査法人の種類
監査法人は、一般的に規模によって「大手監査法人(BIG4)」「準大手監査法人」「中小監査法人」の3つに分類されます。法人の規模によってクライアントの特徴や業務範囲、働き方などに違いがあるため、転職先を選ぶ際はそれぞれの特徴を理解しておくことが重要です。大手監査法人(BIG4)
大手監査法人(BIG4)には、有限責任監査法人トーマツ、EY新日本有限責任監査法人、有限責任あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人があります。いずれも世界的な会計事務所グループに属しており、監査だけでなくコンサルティングやアドバイザリー、税務など幅広いサービスを展開しています。
クライアントは大規模な上場企業やグローバル企業が中心で、国際基準に対応した監査を行うケースも多い点が特徴です。
準大手監査法人
準大手監査法人には、仰星監査法人、三優監査法人、太陽有限責任監査法人、東陽監査法人、PwC京都監査法人などがあります。BIG4と比較すると数百人程度の規模が中心で、クライアントの規模も比較的小さい傾向があります。一方で国際基準の監査にも対応しており、少人数だからこそ一人が担当する業務範囲が広く、幅広い経験を積みやすい点が特徴です。
中小監査法人
大手・準大手以外の監査法人は中小監査法人に分類されます。中小企業や未上場企業をクライアントとすることが多く、IPOを目指す企業の監査を担当するケースもあります。少人数で運営されている法人もあり、幅広い実務経験を積める点がメリットです。また、法人の規模が小さいからといって、必ずしも監査の品質が大手に劣るわけではありません。
監査法人に就職する方法
監査法人に公認会計士として就職するには、公認会計士試験に合格することが基本的な条件です。とくに論文式試験の合格後に行われる定期採用は、短期間で選考が進むため、早めの準備が重要です。また、就職先を選ぶ際には、法人の規模だけでなく、自分が目指すキャリアや働き方に合った環境かどうかを確認する必要があります。
公認会計士試験に合格する
監査法人で公認会計士として働くには、まず公認会計士試験に合格する必要があります。一般的には、論文式試験に合格したタイミングで監査法人の定期採用に応募し、入所を目指します。定期採用は新卒採用に近い形で一斉に行われるため、試験合格後の流れを事前に把握しておくことが大切です。
監査法人への就職活動(定期採用)
監査法人の定期採用は、試験の合格発表から面接、内定までの期間が短いことが特徴です。そのため、合格発表を待ってから就職活動を始めるのではなく、事前に各監査法人の特徴や社風、仕事内容などを調べておく必要があります。説明会などにも参加し、自分が希望する働き方ができる法人を比較しておくとよいでしょう。
自分のキャリアプランを考える
監査法人への就職では、単に大手法人を目指すのではなく、将来のキャリアプランを考えて就職先を選ぶことが重要です。大手監査法人の採用状況は年度によって変動するため、年齢や求人動向によっては就職活動が厳しくなる場合もあります。大手にこだわりすぎず、準大手や中小監査法人も含めて、自分が経験を積みやすい環境を幅広く検討することが大切です。